不動産投資のギャラリー
このころは死に筋、売れ筋といっても、毎日の商品の販売数量はわからなかった。
売り切れになってしまった商品の場合、もし商品が豊富にあったらどれだけ売り上げと利益を伸ばせるかというところまで把握するのは、技術的に無理だった。
コンビニの店舗面積は約百平方メートルと小さく、バックヤードに在庫をたくさん抱えるのも難しい。
簡単に言えば、仕入れた量がそのまま売り上げになると加盟店主らは考えていた。
売り切れた後に客がやってきても、どれだけの売り上げ(需要)があるかはわからなかった。
しかし、これを繰り返していると、縮小均衡に陥ってしまう。
そこで、1品1品がいつ、何個売れたのかを知る必要が出てきた。
この問題意識がPOSデータ活用の伏線となった。
当時、日本ではバーコードがついている商品はまだ少なかった。
米国ではバーコード付きの商品が急速に普及していたが、それはマーケティングに活用するためではなく、レジ打ち時間の短縮という側面が強かった。
Sは82年に全店にPOSレジを導入することを決めた。
同時に取引先に対してSに納入する商品すべてにPOSレジ対応のバーコードを印刷することを要請した。
当初、取引先は印刷コストがかかることを理由に難色を示したが、約1年後には70%の商品にバーコードが付き、80年代後半にはほぼ100%になった。
商品にバーコードがついたことで、個々の商品の販売数量、販売時間、売り切れ時間、売れ残って廃棄してしまった数量が把握できるようになり、単品管理の精度を高めるのに役立った。
POS情報分析システムは発注業務の改善につながった。
85年2月期には平均日販が初めて50万円を超えた。
在庫日数も82年2月期に比べると1.9日も改善し、21日になった(2005年2月期の平均日販は63万9千円、在庫日数は8、9日)。
POSレジ導入とほぼ同じ時期の82年11月には、従来の発注端末ターミナルセブンを新型の発注端末EOB(エレクトロニック・オーダー・ブック、電子発注台帳)に切り替えた。
これまでは商品台帳を見ながら発注していたが、EOBによって売り場で直接、商品データを人力して、ターミナルコントローラーを通してオンラインで発注することが可能になった。
このEOBが後のGOTへと進化していくことになる。
80年代は商品の発注、仕入れは電子データとして処理され、店舗、本部、ベンダー間の業務効率が飛躍的に高まった。
ただし、POSの販売データそのものは発注業務に直接使われていなかった。
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